ふとテレビをつけると,仮面ライダーシリーズをやっていました。
久しぶりなので思わず見てしまったのですが,どうも様子がおかしい。
息子が小さい時,いっしょに見ていた時期の主人公ライダーが出ているではないですか。
でも変身前の人物は別人。
混乱しつつも,その不思議な感覚にひきつけられ,最後まで見てしまいました。
その後,いったいどういう設定なのかが知りたくなり,Wikipediaで調べてみたところ,以下のような記述が。
仮面ライダーディケイドは本来の姿の他、『仮面ライダークウガ』から『仮面ライダーキバ』までの主役ライダー9人と併せて、主役ライダー10人に変身することができる。ディケイドライバー(変身ベルト)からディケイドの虚像9体が円周や直線の上に出現し、士の実体と併せ10の像が1つになってディケイドに変身する。また、ディケイドが変身する仮面ライダーとは別に、本来の主役ライダーや、主役以外のライダー達も次々と登場。ディケイドは各作品の世界を巡り、ライダーや怪人と戦っていく。
仮面ライダーディケイド - Wikipedia
これは(少々商売の匂いがしますが)なかなか面白い設定です。
でも同時に,どこかで聞いたような気が…。
そこで思い出したのが,マイケル・ムアコックのファンタジー小説,『エターナル・チャンピオンシリーズ』です。
ムアコックが戦士エレコーゼを主人公とした作品を書いた際、彼はこれまでに創造した主人公たち、メルニボネの最後の皇帝エルリック、ヴァドハーの最後の生き残りである紅衣の公子コルム(Corum Jhaelen Irsei)、ケルン公ドリアン・ホークムーンなどが、皆「エターナル・チャンピオン」と呼ばれる存在の化身であるという設定を付与した(中略)そして、各人物は己の人生しか記憶していないが、エレコーゼのみはすべての人格を(完全にではないが)記憶しているとして、エレコーゼを全作品の中心人物としたのである。
永遠の戦士(エターナル・チャンピオン)は、『天秤』(『法』と『混沌』の均衡を保つ存在)の代理として、法と混沌のバランスが崩れた際にどちらかの側に顕現し、バランスを取るために戦う戦士であり、永遠に転生を繰り返すことを宿命づけられ、多元宇宙のサイクルすべての転生を戦いに捧げる存在として書かれている。(中略)
彼らの異なる顕現が一堂に会する事ができるのはタネローンでのみとされており、それ以外での接触はあまり芳しくない影響が出るものと思われる。(中略)ただし例外もあり、ヴォアロディオン・ガニャディアックの塔を巡る戦いではエルリック、コルム、エレコーゼの三戦士が共に戦った(ルーンの杖の力が働いていたとも考えられる)。
エターナル・チャンピオンシリーズ - Wikipedia
異なる世界として描かれていた作品が,実は一つの世界の多元的存在であったという設定。
そして時にはその世界の壁を越え,それぞれの主人公が同時に存在することもある。
似てませんか?
似てないかなぁ…。
ちなみにこの『エターナル・チャンピオンシリーズ』の中で,特に私がハマった作品が『エルリック・サーガ』。
私が高校生だったころ,ファンタジー小説がちょっとしたブームで,ドラゴンランス戦記やロードス島戦記等,いろんな作品を読んだのですが,中でもこの『エルリック・サーガ』はその悲劇性や,設定の奥深さから特に印象に残っています。
そういえば,テーブルトークRPGというゲームもやったものです。
なつかしいなぁ。
きっと今回のディケイドの中核スタッフには,このシリーズの愛読者がいると思いますよ!
それにしても,改めて『エルリック・サーガ』が読みたくなりました。
ストームブリンガー!ストームブリンガー!
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追記:
検索をかけてみたところ,同じような感想を持たれた方が他にもたくさんいらっしゃるようで。
~続・釣れ釣れなるままに★その日暮らし~ ディケイド
上の方は年齢も30代後半ということで,まさに同世代。
なんだかとてもうれしくなってしまいました。
トラックバック申請ありがとうございます
自分も高校生の頃に『エターナル・チャンピオンシリーズ』にハマり、シリーズを全て読破しました。もちろんテーブルトークRPGも色々とプレイしております
しかし見れば見るほど、ディケイドはエターナル・チャンピオンシリーズが元ネタとしか思えません
ディエンドはいわば「英雄の介添人」というところでしょうか
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