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生活綴り方

生活綴り方とは,日々の生活を文章にして綴ることで、自らの生活を見つめなおし,生活を向上させようとする教育実践・・・だそうです。

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教員は忙しい。
教員以外の職種も忙しいのは知っている。
だが,教員という仕事の異常さは,「時間が足りないことが大前提」だという点にあると思う。

1時間の教材研究(=授業の準備)に,1時間以上かかることはざらである。
教材の分析,資料集め,指導(略)案の作成,提示資料の作成・・・。
しかも学級担任制の小学校の場合,同じ授業を2回以上行うことはないので,ほとんどの教材は(少なくともその年度内は)使い回せない。
ところが授業が終わる午後3時半ごろから,退勤時刻である5時までに残された時間は約1時間30分。
その間に,翌日の6時間分の教材を,十分に準備できるはずがないことは明らかであろう。
さらに子ども達の様子を記録したり,作品を評価したりもする。
放課後の部活動を担当したり,イベントの計画・準備をしたりする場合もある。
そうなると,必然的に教材研究は残業となる。

「先生は早く帰れていいですね」という人がいる。
とんでもない。
大勢の教員が夜遅くまで学校に残って仕事をしている。
さらに早く帰る者も,教科書そのほかの資料をたっぷり入れた重いバッグを持ち帰り,それぞれの家庭で夜遅くまで教材研究をしている。
学校にいる時間だけで仕事を終えている教員など,ほんの一握りだろう。
それは仕事が遅いからではない。
そもそも「時間が足りないことが大前提」になっているのだ。

「それでも昔の先生は,放課後に良く遊んでくれたもんだ」と言う人がいる。
自分も先生と,運動場や公園で一緒に遊んだことを,今も鮮明に思い出す。
だが,そんな放課後はもうどこにも存在しないのだ。
なぜなら昨今,教材研究以外の,教員を圧迫するものが増えているからである。
今話題なのは「モンスター・ペアレンツ」だが,それ以上のもの。
それは昨今急激に増加している「事務処理」である。

どうも教員の「上」に立つ組織は,教員の仕事を増やすことばかり考えるようだ。
自分たちが仕事をきちんと行っていることを,「世間」に示すためである。
そのための材料を用意するために行われるのが,さまざまな調査(テスト・アンケート)の「実施」「集約」「報告」の指示。
しかも送ってくるのはテスト用紙やアンケート用紙だけで,集計は各現場の教員の仕事という場合がほとんど。
「上」はその数字に当たり前の内容のコメントをつけて発表するだけ。
場合によっては,同じような内容の指示が,同じ組織内の別の部署から送られてくることがある。しかも,微妙な違いから,改めて調べなおさねばならないような場合が多く,流用できないというおまけつきだ。
ひどいときには同じ建物の(場合によっては同じ階の)部署に聞けば済むようなことを,わざわざ現場に聞いてきたりする。
「縦割り行政」ここにありだ。
こうしてパソコンの前にいる時間が年々長くなり,子ども達の前にいる時間は年々短くなっているのが現状である。

経験とスキル,そして過去の教材という「財産」を持つベテラン教諭ならば,教材研究の部分をある程度スムーズに処理できるかもしれない。
だが,新人の教員にはそんなものはない。
ましてや単級(=各学年が1クラスずつしかない)の学校の場合は,教材を融通しあったり,分担しあったりすることもできず,負担は割り増しとなる。

自分がこれまで勤めてきた学校の場合,同年齢ならば,確実に男性の方が既婚率が高い。
その理由として考えられるのは,
 ・日々教員としての日々に埋没し,男性と出会う場・時間がともにない
 ・仕事が忙しく,仕事をしながら結婚生活を成立させられる希望が持てない
という女性教員が多いからではないだろうか。
これを異常といわずして何というのだろうか?

教育改革という言葉が,日常語になって久しい。
「教員の質的向上が急務」と主張する人が大勢いる。
実際,研修の量は年々増加し続け,その分自分の学級に臨む時間も気力も削られるという本末転倒な状況になりつつある。
「授業時数の増加が必要」と主張する人が大勢いる。
実際,次の指導要領では,授業時数が増加する。
週6日制の復活,夏休みの廃止という意見も根強くある。
だが
「教員の事務負担を減らし,授業に集中させるべき」
という声は,確実に存在しているものの少数派であり,小さい。
しかし,本当に質の高い教育を目指すならば,まさに「量より質」の精神が必要なのではないだろうか。

教員はスーパーマンではない。
あくまでも人間であり,そのリソースには限界がある。
ならばそのリソースを授業に,子ども達とのコミュニケーションにできるだけ多く割けるようにすることが,まず必要だと思うのだ。

作成時間:67分












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