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生活綴り方

生活綴り方とは,日々の生活を文章にして綴ることで、自らの生活を見つめなおし,生活を向上させようとする教育実践・・・だそうです。

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『情報は1冊のノートにまとめなさい 100円でつくる万能「情報整理ノート」 』
奥野宣之

本屋でこの表紙を見つけたときは,てっきり「100円ノートで超メモ術/手帳術」が冊子になったのだと思った。
一応確認しようと思って中身を斜め読みしてびっくり。
まさに今,自分が取り組もうと考えている「ノート+PCによるユビキタス・キャプチャー」に近いことが書かれていたからである。
さらに,自分が悩んでいるスケジュール管理についても触れられている様子。
立ち読みでも済ませられそうな内容・量に見えたが,たまたま図書カードをもらった直後であったこともあり,ゆっくり読もうとレジへ。
そして,自分の情報処理の流れが変わるような衝撃を受けた。


様々な先達が様々な場面で繰り返しているのが,情報には「フロー」と「ストック」の2種類があるということ。
その判断を即時にできる人ならば,特に困らないのだろうが,自分のような頭の回転の悪いものは,その判断に迷っているうちに元の情報を失う=ど忘れする可能性がある。
そのため,

1:何か記録するための媒体を肌身離さず持ち歩き,思いついたこと,覚えておきたいことは一旦全て放り込む。
2:そして何らかの形に加工し,参照できるようにする。

という作業を必要とする。
1の段階での情報は全て「フロー」とよばれる状態。
それが2の段階を経ることでそれが「ストック」になるといえるだろうか。

この「フロー」→「ストック」の流れを,どのような媒体・方法で行うかについては,これまでさまざまな方法が生まれてきた。
自分なりに整理してみると以下のようになる。

・梅棹忠夫氏(知的生産の技術)
  1:京大式カードに記録
  2:そのカードをそのまま蓄積

・Hawkexpress氏(PoIC)
  1:野帳に記録
  2:4つのタグを付与した情報カードに転記し,蓄積

・mehori氏(ユビキタス・キャプチャー)
  1:小型ノート(MOLESKINE)に記録
  2:最初の2ページを空けておき,簡単な索引を作成,ノートのまま蓄積

・アキヅキダイスケ氏(HipsterPDA)
  1:HipsterPDAに記録
  2:アイディアは小型ノート(MOLESKINE)に転記し,ノートとして蓄積
    後日利用可能性の高いストック情報は,デジタルデータとしてザウルスSL-C1000に蓄積

・中公竹義氏(超メモ術)
  1:小型ノート(100円ノート)に記録
  2:各ページに検索マーク,最終ページに索引を作成し,ノートのまま蓄積


当初,自分が目指したのはmehori氏のユビキタス・キャプチャーである。
だが挫折した。

 ・MOLESKINEは高価すぎて書きなぐれない

という,貧乏人ならではの問題が発生してしまったのだ。
思いついた後,「これはわざわざ残すべき情報か?」という判断をしようとしてしまうのである。
これでは逡巡しているうちに,せっかくのアイディアを忘れてしまう可能性がある。
また,残す必要はないと考えた情報の中に,後から生きてくるものもあったのではないか,という思いも生じる。
つまり,ノートをけちることで,「全てを記録し忘れる快感」という当初の喜びが薄れがちになったのである。

さらに検索性が悪過ぎるのもネックであった。
索引づくりをするために全記録を読み返そうとしたが,なかなかそのための時間を確保できない上,どうしても見落としがある気がして落ち着かなかった(とことん貧乏性なのです)。
そこで,記事を書く度に索引を作るようにしてみたのだが,今度はその索引自体が肥大化&冗長化しがちになり,また系統性がないものになってしまったため,かえって使い物にならなくなってしまった。
こうして,MOLESKINEによるユビキタス・キャプチャーは失敗に終わったのだ。


次に考えたのが,アキヅキダイスケ氏のHipsterPDA+MOLESKINEの実践である。
だがこれも挫折。
ポケットの都合で,HipsterPDAを持ち歩けなかったためである(前回の記事参照)。
そこでHipsterPDAを野帳に置き換えてみたが,今度は綴じ手帳の内容を綴じ手帳に転記するという作業に,どうしても徒労感を感じずにはいられなかった。


そこで考えたのが,

・全情報のテキスト・データ化

である。
同じアキヅキダイスケ氏の「後日利用可能性の高いストック情報は,ザウルスSL-C1000に蓄積」を,全情報に当てはめた形といえようか。
具体的には,

 1:思いつきは全て野帳に記録
 2:全ての内容をテキストデータとしてPCに蓄積

となる。
これは梅棹氏やHawkexpress氏がカードで処理している部分を,PCに代替させるということになるのかもしれない。
この方法のメリットとデメリットを考えてみると以下のようになる。

○メリット:
・全ての情報が蓄積される安心感
・検索が容易
・カードに手書きで転記するより速い
・カードの置き場所に困らない
・データの持ち運びも可能(PCが必要だが)

×デメリット
・物理的なカードでないので,並べ替え,グループ分けが不可能
・テキストデータなので,絵や図を用いることができない。
・テキスト・データ化する時間の確保が必要(これはPoICも同じ)
・パソコンがない環境では参照しにくい(元の野帳を振り返ることは可能)


物理的に扱えない点に関しては,検索に引っかかったデータのうち,必要なデータだけプリントアウトしたり,カードに項目名を書き出したりといった方法で,何とか処理できるのではないかと考えている(無理?)。

だが,絵や図を用いることができない点と,テキスト・データ化する作業時間の確保が難しいという点に関しては,いかんともしがたい。
特に,日々の業務に追いまくられている毎日では,自分の自由になる時間の確保が何より難しいのだ。
このため,なかなか実践に結び付けられずにきた。


そこに現れたのが,今回の奥野氏の「情報は一冊のノートにまとめなさい」の方法である。

 1:小型ノート(100円ノート)に記録
 2:索引のみをテキスト・データ化し,元のデータはノートのままで蓄積

という氏の方法は,「ノート+PC」という点で,自分が考えている方法に近い。
さらに,記録した全情報をストックとして扱い,検索の対象にしようという考えも同じである。
だが大幅に違うのが,PCで処理する対象を,全情報の「内容」ではなく,その「索引」のみに絞った点である。
これによって,作業時間の大幅な削減というメリットと同時に,

・絵や図も参照できる

というメリットが得られる点が画期的であると考える。
元の情報はノートのまま保存されるので,絵や図が必要な場合は,ノートの方を見れば良いのである。

ただ,

・データの持ち運びも可能(PCが必要だが)
・データのプリントアウトによる,カード化

という点がトレード・オフになっている点に注意しなくてはならない。
さらに,

・どこまで検索に適した索引を作れるのか
・どれだけ元の情報をダイレクトに反映した索引を作れるのか。

といった問題もある。
前者について,本書では「タグ付け」を提唱している。
だが後者については,作成者の技量にその全てがかかっているため,これが新たなネックとなる可能性が高い。


本書の方法を実践するのかどうかは,もう少し検討してみる必要があるだろう(それとも実践あるのみ?)
さらに本書には他にも,資料やスケジュール,写真等も1冊のノートにまとめる方法が書かれているのだが,それらがどこまで実用に耐えうるものなのかについても,検討の余地がある。
しかし,新たな考え方を知ることができ,大いに得るものがあったと感じる本であった。
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